今回は笑いの5つの健康効果を、さまざまな研究をもとにご紹介します。
笑顔のメリットを理解すれば、笑いを増やすことがいかに健康にとって重要かわかるはず。意識的に笑顔をつくるようにするだけで、あなたの脳や体はより高い能力を発揮してくれますよ(๑•̀ •́)و✧
笑いの5つの健康メリット
笑いで得られる健康メリットを5つご紹介します。
脳がゾーンに入りやすくなる
ゾーンとはトップアスリートなどがまれに経験する、集中力が極限まで高まり、周りの景色や音が意識の外に排除されて活動に没頭できる特殊な精神状態のこと。定期的な笑いで脳がゾーンに入りやすくなる可能性を示す研究があります。
ロマリンダ大学の病理学・人体解剖学准教授リー・バーク氏は31人の学生を対象に、以下の3種類のビデオを見ている間の脳波活動を記録しました。
- 面白いビデオ
- ストレスを感じるビデオ
- スピリチュアル(神秘的)なビデオ
結果として、面白いビデオでは深い瞑想中に得られるのと同じガンマ波が発生したのです。
この結果に対しバーク氏は次のようにコメントしています。
ガンマ波は脳のあらゆる部分に影響を与える唯一の周波数である。だから、笑っているときは脳全体を一度に使っていることになる。このように脳全体が”同調”している状態は(中略)“ゾーン”にいるような感覚だ。(中略)定期的に笑うことで、この経験に対する脳の反応を最適化できる。
Is Laughter The New Meditation?
確かに心の底から笑っているときは、他のことを考えていませんよね。それが目の前のことに全神経を集中しているゾーンの状態に近いのかもしれません。
老化や病気の原因である炎症を抑える
以前に炎症の解説をした記事で、炎症は老化の最大原因だとお話ししました。この恐ろしい炎症をおさえるはたらきが、笑いにあるかもしれないと示した研究があります。
研究の対象者は関節リウマチ患者41名、健常者23名。対象者に落語を聞いてもらい体内の炎症レベルを測定しました。
結果として、落語を聞いたリウマチ患者の炎症レベルは有意に(=統計的に意味のある水準で)減少。一方で健常者の炎症レベルに変化はありませんでした。
NK細胞活性化による免疫力UP
笑うとガンやウイルスを排除するはたらきがあるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化します。つまり免疫力が上がるのです。笑いでNK細胞が活性化する仕組みは以下。
- 笑うと脳内の間脳という部位に気持ちの高ぶりが伝わる
- すると間脳で神経ペプチドという免疫活性化物質が生成される
- 神経ペプチドが血液やリンパ液で全身をめぐり、NK細胞にくっついて活性化させる
ちなみに間脳はここ。
間脳は見る、聞く、触るなどの感覚入力を脳へ伝える視床が中に入っています。笑いの楽しい気持ちも間脳内部の視床へ伝わり、神経ペプチドが分泌されることでNK細胞が活性化するんですね。
エンドルフィンとドーパミンが分泌され、幸福感を上げる
幸福感をもたらす脳内ホルモン。鎮痛剤であるモルヒネの6.5倍の鎮痛作用がある
エンドルフィンと同じく幸福感をもたらす脳内ホルモン。不安やストレスを軽減し、気分を良くするはたらきがある
数多くの研究で笑いはエンドルフィンの分泌を増やすと判明しています。さらにエンドルフィンはドーパミンの分泌をうながすのです。
この2つの幸せホルモンによる効果で、特に面白いことがなくても笑っているだけで自然と幸せな気分になれるんですね。
試しに今口角を上げ、目尻を下げてニコーっと笑ってみてください😁 なんだか楽しい気分になってきませんか?
運動のパフォーマンスを上げる
アルスター大学とスウォンジー大学の共同研究で、笑顔とランニングのパフォーマンスの関係を調査しました。
- 参加者は24人の男女
- 参加者を以下の4つのグループに分けて6分間ランニングマシンで走り、心肺反応などを測定
- 笑顔
- 顔をしかめる
- 顔と上半身をリラックスさせる
- ふだん通りに走る
結果として最も運動パフォーマンスが高かったのは①の笑顔グループでした。この研究を特集したニューヨークタイムズによると、研究結果は笑顔が全身の筋肉の緊張をやわらげ、運動パフォーマンスを向上させたことを示しているそうです。
しかしニューヨークタイムズはこうも書いています。
参加者の笑顔の表情が不自然で緊張し始めると(現実的に考えて、自然な笑顔を6分間維持するのはかなり難しいので)、最初の純粋な笑顔とは違って、顔の筋肉の活動が少なくなり、体の緊張が高まり、リラックスできなくなった
Science Says There’s A Really Easy Way To Start Enjoying Your Workouts More
つまり笑顔で運動パフォーマンスを上げるには、好きな音楽をかけるなどして自然な笑顔になれる工夫が必要というわけです。
笑いの5つの健康メリットまとめ
今回紹介した笑いで得られる5つの健康メリットをまとめておきます。
- 脳がゾーン(最高の集中状態)に入りやすくなる
- 老化や病気の原因である炎症をおさえる
- NK細胞が活性化して免疫力が上がる
- エンドルフィンとドーパミンが分泌され幸福感が上がる
- 運動のパフォーマンスを高める
笑いを日常に取り入れる3つの方法
ぼくがふだんの生活で笑いを増やすためにやっていることを3つご紹介します。
- お笑い動画を短時間見る
- If thenプランニングで笑顔を習慣化
- 人の話に好奇心を持ち、面白いと思いながら聴く
順に解説します。
お笑い動画を短時間見る
YouTubeやNetflix、Amazonプライムなどで笑える動画はたくさん見つかります。疲れたとき、モチベーションが上がらないときに笑える動画を見ると、気分が良くなってやる気が戻るのでおすすめ。
ぼくはすべらない話シリーズが好きで、DVDを集めています。古いものは中古500円とかで売っていますよ(๑•̀ •́)و✧
If thenプランニングで笑顔を習慣化
If thenプランニングとは「〇〇になったら××をする」というように、状況と行動をセットで決めておくものです。心理学的に習慣化にとても有効なテクニックとされています。
ぼくが笑いに関して作っているIf thenプランは以下の3つ。
- 退屈、不満などネガティブな感情になったら笑顔になる
- 勉強、読書など何か行動を起こす最初に笑顔になる
- HIITや筋トレできついと感じたら笑顔になる
If thenプランにしておくことで、自然と日常に笑顔の時間を増やし、健康メリットを得られます。ぜひあなたもオリジナルのIf then笑いプランを作ってみてください。
人の話に好奇心を持ち、面白いと思いながら聴く
もっと意識的に興味を持って人の話を聴いてみてください。するとより楽しい時間を過ごせて相手との関係も親密になり、いいことづくめです。面白いと思っているので自然と表情も笑顔に。
スマホをカバンにしまい、自分が話したい気持ちを抑え、相手の話題に興味を持って会話を深堀りする質問をしましょう。すると会話が盛り上がり、有益な情報が得られる可能性も上がりますよ。
意識的に笑いを増やしてより健康・幸福になろう
今回は笑いの健康メリットと、笑顔を日常で増やす方法をお伝えしました。
笑うことは手軽に多くの効果を得られる健康法です。ぜひ日々の生活でもっと笑顔を増やす方法がないか考えてみてください(๑•̀ •́)و✧