- AGEsを減らす方法が知りたい
- AGEsが多い食品は何?
- 糖化で肌が老けてしまった
からあげ、スイーツ、白ごはん。糖化が体に悪いのはわかっているけど、おいしくてたくさん食べてしまう。現代社会は糖分であふれていて、糖質を全部避けるのはなかなか難しいですよね。
でも実は食事内容はそのままに、
- 食材の調理法
- AGEsをおさえる食品の追加
- 食べ方
- 食後の軽い運動
などでも糖化を減らせます。
今回はお伝えするのは食前・食事中・食後のタイミングに分けた6つのAGEs対策。どれも権威ある医師や研究によって有効性が認められている方法です。
また、研究データをもとに食品ごとの具体的なAGEs量や、鶏胸肉に多く含まれる成分が肌を若返らせた事例も紹介します。
いつまでも若々しく健康な体でいるための糖化・AGEs対策はこの記事だけでバッチリです(๑•̀ •́)و✧
糖化・AGEs対策①食前編
まずは食材選びや調理でできる糖化・AGEs対策を紹介します。
高GL食品より低GL食品を選ぶ
食品の血糖値の上昇を数値化したもの。GL値が高いほどその食品を食べた時に血糖値が上がる。詳しくはダイエットで気を付けたいのは「GI値」よりも「GL値」だった!参照
AGEsは体内で余った糖質が原因で生まれます。なので低GL食品で血糖値の上昇をおさえれば減らせるのです。
ぼくおすすめの高GL食品から低GL食品への置き換え例は以下。
※リンク先はぼくのおすすめ商品
380食品のGL値・糖質量・カロリー比較リスト【見やすいグラフつき】というページでは色んな食品のGL値を確認できます。
ふだん食べている高GL食品を、別のおいしい低GL食品に変えられないか、ぜひ考えてみてください。
AGEsが多い食品を避ける
食品にはもともとAGEsが多く含まれるものがあります。これらはできるだけ食べないようにしましょう。
高熱で調理するほどAGEsが増える
高い温度で調理するほどAGEsが増えます。2013年の研究(※1)で549種類の食品に含まれるAGEs量を調査しました。
上記の研究をもとに、牛肉の調理法によってどのくらいAGEs量が変わるのか見てみましょう。
煮込み、電子レンジに比べてグリルやフライパンで焼いたときはAGEs量が3、4倍に増えていますね。
からあげなどの揚げ物は焼く以上にAGEsが増えます。なぜなら焼くのは食材の表面だけですが、揚げると全体がまんべんなく高温で加熱されるから。
生 < ゆでる・蒸す < 電子レンジ < 焼く <揚げる、と右にいくほどAGEsが増える調理法だと覚えておきましょう。
酸っぱい調味料で加熱時のAGEsが減る
上のグラフは牛肉25gを
- 150℃で15分焼いた
- 15mlの酸味調味料(酢かレモン果汁)に1時間つけてから150℃で15分焼いた
場合のAGEs変化量を表します。ただ焼くのに比べて、酸味調味料につけるとAGEs量が半分以下になっていますね。
こちらも情報源は先ほど引用した2013年のAGEs研究(※1)です。
加熱調理で最もAGEsが少ないのは真空低温調理
真空低温調理:真空パックした食材を60度や80度など、固定した温度で一定時間加熱する調理方法
AGEsを減らしたいなら最もおすすめなのが真空低温調理です。ゆでる、蒸すよりもAGEsをおさえながらおいしい料理を簡単に作れますよ。
なぜなら、ゆでたり蒸したりしても加熱し続ければ温度は100℃まで上がっていくから。でも低温調理器なら細菌を殺して食材に火が通る一定温度のままキープできるのです。
ぼくが使っている低温調理器具は以下の記事で紹介しています。
(後日公開予定)
食品ごとのAGEs量ランキング
先ほどから引用している2013年のAGEs研究(※1)をもとに、一般的な食品が含むAGEs量ランキングを作りました。ふだんの食品選びの参考にしてください。
固形油脂食品
食品名 | AGEs量 (kU/100g) |
---|---|
バター | 26,480 |
マーガリン | 17,520 |
クリームチーズ | 10,883 |
マヨネーズ | 9,400 |
ピーナッツバター | 7,517 |
タルタルソース | 247 |
調理油
食品名 | AGEs量 (kU/100g) |
---|---|
ごま油 | 21,680 |
オリーブオイル | 11,900 |
キャノーラ油 | 9,020 |
サンフラワー油 | 3,940 |
コーン油 | 2,400 |
肉・魚
食品名 | AGEs量 (kU/100g) |
---|---|
炒めたベーコン | 91,577 |
ローストチキン (皮、もも肉) | 18,520 |
ステーキ | 10,058 |
フランクフルト | 11,270 |
鶏胸肉からあげ | 9,961 |
電子レンジ加熱ベーコン | 9,023 |
オーブン焼きタラ | 8,774 |
チキンナゲット | 8,627 |
ハンバーガー | 5,418 |
炒めたマグロ | 5,150 |
電子レンジ加熱エビ | 4,399 |
たまご料理
食品名 | AGEs量 (kU/100g) |
---|---|
目玉焼き | 2,749 |
オムレツ | 507 |
スクランブルエッグ | 337 |
炭水化物
食品名 | AGEs量 (kU/100g) |
---|---|
ピザ | 6,825 |
ワッフル | 2,870 |
パンケーキ | 2,263 |
フライドポテト | 1,522 |
クロワッサン | 1,113 |
ゆでたパスタ | 112 |
トースト食パン | 107 |
炊いた米 | 9 |
お菓子
食品名 | AGEs量 (kU/100g) |
---|---|
クッキー | 3,220 |
ポテトチップス | 2,883 |
ドーナツ | 1,470 |
アップルパイ | 637 |
アイスクリーム | 153 |
糖化・AGEsをおさえる5種類の食品を活用
なぜ↑の5種類の食品が糖化・AGEsをおさえるのか解説していきます。
緑茶はAGEsを半減させ、吸収もおさえる
天然食品のAGEs抑制効果を調査した2016年の研究(※2)で、緑茶はAGEsの発生を半減させることがわかっています。
また緑茶に関する過去20件の研究をまとめた2013年のレビュー論文(※3)には、緑茶が血糖値上昇をおさえ、
- 毎日6杯以上緑茶を飲む人は、週1杯未満の人と比べて糖尿病リスクが33%低い
- 10年以上緑茶を飲んでいる人は体脂肪率・ウエストが小さい
と書いてあります。観察研究ではありますが。
観察研究:参加者に直接的な介入(食生活や運動量の指導など)をせず、今ある情報(質問票回答や身体測定データなど)をもとに行う研究方法。信頼性はそれほど高くない
カテキンは食前にとるとAGEs防止効果が高まるので、まず食べ始めに一杯緑茶を飲むようにしましょう。
ぼくが飲んでいる緑茶は以下です。
↑がおすすめな理由は
- 粉末タイプで水に溶かすだけで飲める
- 農薬・化学肥料不使用
- 年1回しか収穫しない一番茶のみを使用
- 日光を遮る手間のかかる製法でつくった玉露
の4つ。
1杯の分量は1gほどなので、ペットボトルの緑茶を買うより断然お得です。
野菜や果物に含まれる3つの糖化・AGEs抑制成分
- ビタミンC
- ビタミンE
- ポリフェノール
ビタミンCは先ほども紹介した2016年の天然食品AGEs抑制研究(※2)でAGEsを半減させることが実証済です。
また2015年の天然食品研究(※4)ではビタミンEとポリフェノールが糖化をおさえ、老化防止に役立つと結論づけられています。
これら3つの糖化・AGEs抑制成分を多く含む野菜・果物は
- ブロッコリー
- ほうれん草
- キャベツ
- キウイ
- レモン
など。
3つの糖化・AGEs抑制成分を全て含むおすすめ食品:ベリー
先ほどお話ししたAGEsをおさえる成分のビタミンC・E、ポリフェノールを全て含むのがベリー類です。味がおいしく、調理の手間もかからないのでおすすめ。
ぼくはコストコの冷凍ミックスベリー
適量は1日110g〜120gです。安くはないですが、味と品質的にコストコの商品がベスト。さらにベリーは食物繊維も豊富でアンチエイジング効果も高く、投資価値アリです。
オリーブオイルが血糖値の上昇をおさえる
AGEsは人体を構成するタンパク質と体内で余った糖質が結びついて発生します。だから血糖値をおさえればAGEsも減らせるのです。
油は消化に時間がかかるため、血糖値の急上昇を防ぎます。
医学誌「European Journal of Clinical Nutrition」に掲載された研究(※5)によると、血糖値をおさえる効果は油の中でも特にオリーブオイルが高いと判明しています。
下の図はパンと3種の食用油を組み合わせて食べた時の血糖値の変化。「パンとオリーブオイル」を一緒に食べたグレーのグラフの血糖値が一番低いですよね。
ぼくが使っている高品質なエクストラバージンオリーブオイル
↑のオリーブオイルがおすすめな理由は以下の記事で解説しています。
» 健康に良い本物のオリーブオイルの選び方!ポイントは低酸度、高ポリフェノール
クルクミンが糖化をおさえる
マウス実験ではありますが、2014年の研究(※6)でクルクミンが糖化をおさえることが実証済です。クルクミンはウコンに多く含まれる成分で、糖化をおさえる他に
といった効果があります。クルクミンの詳しい健康メリットは以下をご覧ください。
(後日公開予定)
ぼくはアンチエイジング専門家のパレオな男さんが使っている吸収率が高いクルクミンサプリを利用しています。
同じ商品はAmazon
鶏胸肉に豊富なカルノシンにもAGEs防止効果
2004年の研究(※7)によれば、鶏胸肉に多く含まれる成分のカルノシンが糖化を防ぐそうです。
カルノシンは人体を構成するタンパク質と体内で余った糖質の結びつき(=AGEs発生)を邪魔します。
老けた肌もカルノシンで若返る
2011年の研究(※8)で老化している肌もカルノシン摂取で若返ることが明らかになりました。研究内容は以下のとおり。
- 参加者は成人女性42人
- 参加者をカルノシン群、プラシーボ群にランダムに分ける
- カルノシン群は3ヶ月間、2日に1度210mgのカルノシンをサプリで摂取
- プラシーボ群はカルノシン群と同じ頻度で偽物のサプリを摂取
- 3ヶ月経ったあと1ヶ月の期間をあけて(効果の持続性を確かめるため)、皮膚科医が主観的・客観的に肌を評価
結果として、カルノシン群は有意に
- 肌のハリ、なめらかさ、小ジワの減少などの主観的な評価項目がすべて改善
- 客観的な指標でも肌の見た目が23%改善
という効果が得られたのです。
有意:結果が偶然による誤差ではなく、統計的に意味があること
2日に1度210mgのカルノシンならふだんの食事に鶏胸肉を少し加えるだけで達成できますね。肌の老化に悩んでいる人は、この記事の他の糖化対策と合わせて、ぜひ積極的に鶏胸肉を食べてください。
鶏胸肉は健康に良いうえ格安。ぼくは自宅近くのスーパーで100gあたり49〜59円で売っている鶏胸肉を毎日400g以上食べています(๑•̀ •́)و✧
糖化・AGEs対策②食事中編
ここから食事中にできるAGEs対策を2つ紹介します。
- 食物繊維→タンパク質→炭水化物の順に食べる
- よく噛む
順に解説します。
食物繊維→タンパク質→炭水化物の順に食べる
食前のAGEs対策でも書いたように、AGEsを減らすには血糖値を急上昇させないことが重要。
まず最初に野菜、豆、きのこ、果物などを食べましょう。これらに多く含まれる食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにするはたらきがあります。
次に食べるべきは肉や魚などのタンパク質。肉や魚には糖質がほぼ含まれません。炭水化物より先に食べれば、血糖値の急上昇を防げます。
そして最後に血糖値を上げるご飯、パン、麺などの炭水化物を食べましょう。
- 果物、サラダ(食物繊維)
- 肉、魚(タンパク質)
- ご飯、パン、麺、芋(炭水化物)
よく噛む
あまり噛まずに食事をしていると、食べ過ぎ(満腹中枢が刺激されないため) & 早食いのダブルパンチで血糖値は急上昇。
逆によく噛むと自然に食べる量は減り、時間をかけて食事するので血糖値の上昇もゆるやかになります。
動画を見ながらなどの「ながら食べ」は食事に意識が向きません。その結果
- あまり噛まずに早食いする
- 満足感が得られないので食べすぎがち
という血糖値を爆上げする食べ方をしてしまいます。
理想は画面を見ず、食事だけを味わって食べることです。
でも食事中にどうしてもエンタメを楽しみたい人もいますよね。その場合は、せめてご飯やパンなどの炭水化物を食べるときだけでも「ながら食べ」をやめてみてください。
ちょうどいい満腹感で食事を終えられますよ。
AGEs対策③食後編
食後にできるAGEs対策も1つ紹介します。
食後に軽い運動をする
血糖値は食後1〜1時間半くらいでピークになります。この血糖値がピークになる前に軽い運動をすると、糖質をエネルギーとして消費できます。
AGEsの原因になるのは体内で余った糖質でしたね。この不要な糖質を運動で燃やしてしまえば、AGEsの発生をおさえられます。運動量は20分程度の散歩で十分です。
食事のあとに運動時間を設けずとも体を動かす方法はないか考えてみましょう。たとえば以下のような感じです。
- 食後の歯磨きを歩き回りながらやる
- 食べ終わってSNSやゲームをしているときに、その場で足踏みしてみる
- オフィスに戻るときにエレベーターではなく階段を使う
あとでお話ししますが、食後の運動は眠気対策にもなります。ご飯のあとに体を動かせないか、ぜひ考えてみてください。
血糖値がピークになる前に軽い運動をすると、AGEsになる前に糖質をエネルギーとして消費できる
5つの糖化・AGEs対策は食後の眠気対策でもある
6つの糖化・AGEs対策のうち5つは食後の眠気対策にもなります。なぜなら食後の眠気の原因は、食事で血糖値が急上昇すると起こる血糖値スパイクだからです。
食事で血糖値が急上昇すると、血糖値をおさえるインスリンが大量に分泌される。すると一気に低血糖状態になり眠くなる現象
今回お伝えした6つのAGEs対策のうち、食後の眠気にも有効なのは以下の★がついているものです。
- 高GL食品より低GL食品を選ぶ★
- AGEsが多い食品を避ける
- 糖化・AGEsをおさえる食品を選ぶ★
- 食物繊維→タンパク質→炭水化物の順に食べる★
- よく噛む★
- 食後に軽い運動をする★
★食後の眠気対策にも有効
糖化、眠気を両方撃退できるなんて一石二鳥ですよね。ぜひあなたの生活にも★がついているものから順に取り入れてみてください(๑•̀ •́)و✧