- 酸化ストレス、活性酸素、抗酸化って何?
- 活性酸素が増えすぎると体にどんな悪影響があるの?
健康情報でよく「酸化」「活性酸素」という言葉を見かけますね。でもこれらがなぜ体に悪いのかを知らないと、せっかく健康知識を学んでも実践する気にはなれません。
そこで今回は2017年の酸化ストレスに関する過去199件の研究をまとめたレビュー論文をもとに
- 活性酸素の発生原因とはたらき
- 過剰な活性酸素が起こす健康被害
- 体の活性酸素量をおさえる抗酸化のしくみ
をわかりやすく解説します。
この記事で、酸化が病気や老化につながる理由を正しく理解すれば、日々の健康習慣のモチベーションが上がりますよ。
手っとり早く酸化ストレスを減らす方法が知りたい方は、以下の記事を読んでください。
適度な活性酸素は人体に必要
酸化ストレスの説明をする前に、活性酸素とは何なのか解説します。ぼくたちが呼吸でとり込んだ酸素を細胞が使うとき、酸素の一部が変化してできるのが活性酸素です。
活性酸素は適量なら体の中で重要な役割を果たします。たとえば、
- 免疫細胞が活性酸素を使って病原菌を攻撃
- 細胞分裂をうながす
- 血流の調節
といった感じ。
活性酸素(フリーラジカル)が過剰になると病気や老化につながる
活性酸素はフリーラジカル(電子が欠けた分子)とも呼ばれます。
↑のように、フリーラジカルは安定するために他の分子から電子を1つ奪います。すると奪われた分子がフリーラジカルになり、他の分子からまた電子を奪っていく……
人の体内でフリーラジカル(活性酸素)が増えすぎると、体中で電子の奪い合いが起こって細胞が傷つきます。活性酸素で細胞が傷つくと
- 認知症
- がん
- 心臓病
といった病気や老化につながるのです。
人体には活性酸素(フリーラジカル)を安定させる抗酸化物質がある
人体には活性酸素(フリーラジカル)が増えすぎないための仕組みがあります。それが抗酸化物質。
↑のように抗酸化物質は電子をたくさん持っています。そして電子をもとめて暴れ回っている活性酸素に電子を与えて安定させるのです。
よく野菜や果物は抗酸化作用が健康に良いと言われますよね。これも野菜や果物に含まれる抗酸化物質が体内の活性酸素(フリーラジカル)を安定させるから体に良いという意味なのです。
「酸化ストレス = 活性酸素 > 抗酸化力」の状態
この記事の本題である酸化ストレスとは、人体の抗酸化力を超えて活性酸素が過剰発生して体に害を与えることです。
そんな健康に有害な酸化ストレス対策には
- 細胞のエネルギー効率を高める
- 活性酸素を増やすものを避ける
- 抗酸化物質をサプリではなく食品からとる
という3つのアプローチが有効。
詳しい酸化ストレス対策は以下の記事で解説しています。活性酸素の害を受けないためにやるべきことがわかりますよ。