「炎症は老化につながる」
「ほとんどの病気の原因は炎症」
健康について調べると、炎症の悪影響を解説した情報がたくさん出てきます。でもいざ炎症対策をしようと思っても、何が有効なのかわからないですよね。
そこで今回は、現代人がやりがちな慢性炎症の原因になるものを9つ紹介します。どれも研究や医学的根拠に基づいた情報です。
- 長期的なストレス
- 加工食品の食べすぎ
- グルテンのとりすぎ
- 糖質のとりすぎ
- 飲酒
- 6時間未満の睡眠
- リーキーガット
- 肥満
- 運動不足
老化の最大要因である炎症の原因を把握し、できるところから対処しましょう。
長期的なストレス
近年の免疫精神医学の研究(※1)ではストレスが炎症を引き起こすことがわかっています。
ちょっとムカついたことがあったなどの短期的なストレスなら問題ないでしょう。でも職場の悪い人間関係、長時間労働などの長期的なストレスは、体の中で常に炎症が起こっている事態になりかねません。
毎日ストレスがたまるような仕事環境は危険です。収入や安定よりも、自分の健康を第一に考えるほうが心身ともに健康になれます。
加工食品の食べ過ぎ
フライドポテトやアイスクリームなどの加工食品には、悪玉コレステロール(LDL)を増加させる安い植物油や、脳を依存させるほど大量の砂糖が使われています。
人の体は油や糖質など、特定の栄養を過剰に摂取することに対応できません。なので加工食品を食べすぎると、体が過剰でかたよった栄養を異常事態だとみなして炎症を起こすのです。
植物油の具体的な健康被害は、以下の記事で解説しています。
(後日公開予定)
おいしくてつい食べ過ぎてしまう加工食品ですが、健康のためには控えめにしておきましょう。
たとえばお菓子の代わりにナッツ
ヘルシオ
グルテンのとりすぎ
パンやパスタ、うどんの小麦などに含まれるグルテンは小腸を傷つけて炎症を起こします。
ただ2018年の研究(※2)によると、日本人で以下のようなグルテン関連疾患を持つ人はたった0.05%だそうです。
- グルテン過敏症:小腸がグルテンに過剰反応する
- グルテン不耐症:グルテンをスムーズに消化できない
- セリアック病:↑の2種類の病気の別名
ですが日本人にグルテン病患者がほぼいないとはいえ、グルテンが小腸にダメージを与えて炎症につながることは間違いありません。
最近はグルテンの悪影響が問題視され、グルテンフリー食品も増えています。
グルテン食品でおなかをこわしたりして不調になる人は、ぜひ一度パンやパスタを米粉パンや米粉パスタなどのグルテンフリー食品に代えてみてください。
目に見えて体調が良くなるかもしれませんよ。
糖質のとりすぎ
糖質を過剰摂取すると、糖のはたらきをおさえるために体内でTNFa、IL-6といった物質が活性化します。これらの物質が炎症を引き起こし、体を傷つけるのです。
糖質のとりすぎを防ぐには、以下の5つの対策がオススメ。ぼくも意識しないとつい食べ過ぎてしまうので、毎食実践しています。
- ご飯は小さい器に少なめに入れる(足りなければ少量ずつおかわり)
- 一口を小さくする
- よく噛む(ながら食べをしないのが効果的)
- 炭水化物を最後に食べる(血糖値上昇・食べすぎ防止)
- 白米、パンなどの代わりに食物繊維が豊富なサツマイモを食べる
飲酒
2010年の研究(※3)ではアルコールが
- 腸内の炎症を引き起こす
- 全身の炎症をおさえる体の機能を低下させる
と判明しています。
アルコールはよく消毒に使われますね。細菌を殺すような刺激の強いアルコールを体内に入れれば、悪影響が起こるのは当然です。
健康のためにはお酒を飲まないのが理想です。でも禁酒が難しい人もいると思います。その場合は以下の、アルコールによる炎症対策をしてください。
- お酒と水を1:1の比率で飲む
- チューハイ、カクテルなどの甘いお酒をさける
- ワインを飲む
アルコールは体の水分を奪います。そして体内が水不足になると炎症が悪化するのです。
「お酒を一口飲んだら水も一口」というように、お酒と同じ量の水を飲みましょう。炎症をおさえ、飲酒量も減らせて一石二鳥です。
また甘いお酒は糖質を多く含むので、アルコールとダブルで炎症を悪化させます。
ワインに含まれるポリフェノールには炎症抑制をはじめ、さまざまな老化防止効果があります。お酒の中で最も健康的な選択肢がワインです。
6時間未満の睡眠
2010年11月に発表された、525人の中高年者を対象に睡眠不足と炎症の関係を調査した研究(※4)があります。
その研究で睡眠時間が6時間未満の人は、6時間以上の人と比べて体内の炎症レベルが約25%も高かったのです。
しかも炎症レベルの差はタバコや高血圧、糖尿病、肥満など別の炎症要因を調整してもみられました。
リーキーガット
直訳するとLeaky(漏れる)Gut(腸)。日本人の7割が発症していると言われる腸に穴が空き、ウイルスや未消化の食べ物などの異物が血管内に漏れ出す症状。詳しくはどんな健康的なダイエットも無意味にする「リーキーガット症候群」の恐怖と改善法参照
リーキーガットでは腸から体内に異物がガンガン侵入してくるので、当然免疫細胞が反応して炎症が起こります。
リーキーガットは穀類、豆類、アルコール、カフェイン、トランス脂肪酸(加工食品が多く含む)の過剰摂取で起こるので注意しましょう。
肥満
肥満だと脂肪組織で慢性炎症が起こることがわかっています。
なぜ慢性炎症が起こるのか詳しい理由は解明されていません。ですが東京大学の研究(※5)で、肥満だと炎症をおさえる制御性B細胞が減ることが明らかになりました。
炎症抑制効果のある細胞が減少するため、肥満は慢性炎症につながるのです。
運動不足
炎症と運動の関係を調査した研究(※6)で、運動には体重減少と無関係に抗炎症作用があると判明しています。
病気や老化の最大原因である炎症を遠ざけよう
慢性炎症を引き起こす9つの原因をまとめます。
- 長期的なストレスは体内が常に炎症状態になる
- 加工食品を食べすぎると、過剰な糖質や脂質などのかたよった栄養を体が異常事態だと判断する
- グルテンが小腸を傷つける
- 糖質のとりすぎると糖質のはたらきをおさえる免疫細胞が活性化し、それらが炎症を起こす
- 飲酒が腸内の炎症を起こし、全身の炎症をおさえる体の機能も低下させる
- 6時間未満の睡眠は6時間以上の場合と比べ、体内の炎症レベルが25%上がる
- リーキーガットで腸に穴が空くと体内に異物が侵入してくる
- 肥満だと炎症をおさえる細胞が減る
- 運動には抗炎症作用がある。だから運動不足だと炎症が起きやすい体になる
老化の1番の原因である炎症対策ができれば、明るい老後が待っているの間違いありません。
過剰な加工食品や糖質は、他の老化原因である糖化や酸化ストレスにもつながります。健康に悪いことはだいたい共通しているのです。
謎の体調不良や疲れを感じたら、まずは今回紹介した9つの炎症原因に対処してみるのがおすすめです!