- どんなオリーブオイルが健康に良いの?
- 健康効果が高い具体的なオリーブオイルが知りたい!
- オリーブオイルを劣化させない保存のポイント
エクストラバージンオリーブオイルが健康に良いとよく言われます。でも実は、市場に流通するエクストラバージンオリーブオイルの約7割が偽物…
そこで今回は研究やIOC(国際オリーブ協会)、農林水産省などの公的機関の情報をもとに、
- 健康に良いオリーブオイルの条件
- 国際的にエクストラバージンオリーブオイルと認められる基準
- 市場に出回る偽商品の実態
- 本物の商品を選ぶ3つのポイント
- おすすめのエクストラバージンオリーブオイル3選
を解説します。
この記事を参考に本物のエクストラバージンオリーブオイルを選べば、健康長寿間違いなしです!
ちなみにぼくが愛用しているエクストラバージンオリーブオイルは以下です。健康効果が高い(=ポリフェノールが多い)商品を選んでいます。
健康的なオリーブオイルを選ぶポイントは低酸度・高ポリフェノール
健康的なオリーブオイルを選ぶのに重要なのは、
- 酸度が低い
- ポリフェノールが多い
という2つのポイントです。それぞれ詳しく説明します。
酸度:オリーブオイルが含む遊離脂肪酸(酸素と反応して酸化しやすい脂質)の割合。オリーブの収穫からオイルに加工するまでの時間が短いほど低くなる
ちなみに健康に良いオリーブオイルの具体的な効果は、
- ガン・心臓病・脳卒中・全死亡リスクが大幅に減る
- 頭が良くなる
などです。詳しくは以下の記事で解説しています。
» オリーブオイルの健康効果3つ!15個の研究をもとにわかりやすく解説
酸化したオリーブオイルは体に悪い
酸度が高い = 酸化しやすいということです。脂質が酸化すると過酸化脂質という有害物質になります。この過酸化脂質が、
- 動脈硬化
- 認知症
といった病気の原因になるのです。
ポリフェノールが多いオリーブオイルほど健康に良い
2010年の研究(※1)で高ポリフェノールのオリーブオイルほど、万病・老化の原因になる
をおさえる効果が高いと実証されています。
研究内容は以下のとおり。
- 参加者は20〜50歳の男女90人
- 参加者をランダムに3群に分け、3ヶ月間自群の食事をとってもらう
- 地中海食 + 高ポリフェノール(328mg/kg)オリーブオイル群
- 地中海食 + 低ポリフェノール(55mg/kg)オリーブオイル群
- ふだん通りの食事群
- 研究開始時と終了時の体内の炎症・酸化ストレスを測定
地中海食とはイタリアなどの地中海沿岸国の食事↓です。
結果は、
- 地中海食 + オリーブオイル群はふだん通りの食事群と比べ、複数の炎症・酸化ストレス指標が有意に低い
- 炎症・酸化ストレスの低下度合いは、高ポリフェノールオリーブオイルの方がより大きい
というものでした。
有意:結果が偶然による誤差ではなく、統計的に意味があること
最高品質のオリーブオイル = エクストラバージンオリーブオイル
ここまで説明してきた低酸度・高ポリフェノールのオリーブオイルがエクストラバージンオリーブオイルです。
より詳しく言えばエクストラバージンオリーブオイルとは、
- 質の高いオリーブの実を
- 一番しぼりで
- 収穫後24時間以内に
- コールドプレス製法(熱を加えずに圧力のみ)で
- 他の油を混ぜないで
加工したオリーブオイルです。
また、IOC(国際オリーブ協会)の基準でオリーブオイルは品質によって9種類に分けられます。
IOCによる9種類の分類で「酸度0.8%以下」「風味に欠点がない」という最高基準を満たしたものが、エクストラバージンオリーブオイルと認められるのです。
エクストラバージンオリーブオイルの7割は偽物
エクストラバージンオリーブオイルの7割は他の植物油が混入したり、酸度が0.8%を超えたりしている偽物です。
米国のエクストラバージンオリーブオイルの69%が国際基準を満たしていない
2010年にカリフォルニア大学が、市場に流通する57本(19種類 × 各3本)のエクストラバージンオリーブオイルの品質を調べました(※2)。
結果、69%の商品がIOC(国際オリーブ協会)の基準を満たしていなかったのです。具体的には
- 製造工程で鮮度低下、高温、光にさらされ酸化している
- 安い植物油の混入
- 損傷した質の悪いオリーブの実を使用
といった商品が、堂々とエクストラバージンオリーブオイルとして売られていました。
日本にはエクストラバージンオリーブオイルの基準がない
日本はIOC非加盟のため、農林水産省のJAS規格でオリーブオイルの品質を決めています。
JAS規格のオリーブオイルには、
- 酸度1%以下のオリーブオイル
- 酸度0.3%以下の精製オリーブオイル
という2つの分類しかありません。
なので上記の基準さえ満たせば、エクストラバージンオリーブオイルを名乗っても違法ではないのです。
精製 = 具体的には脱酸(油から酸度を上げる遊離脂肪酸を取り除く)、脱色、脱臭といった処理のことです。
精製すれば何度もしぼったり傷んだりしているオリーブを原料にしても、味や見た目はととのって長持ちします。そのかわり香りや風味が失われ、ポリフェノールなどの成分も大幅に減少するのです。
本物のエクストラバージンオリーブオイルを選ぶ3つのポイント
本物のエクストラバージンオリーブオイルを選ぶために見るべきポイントは3つです。
- 酸度・ポリフェノール量の両方を公表している
- 遮光ビンに入っている
- JOA(日本オリーブ協会)認定を受けている
順に解説します。
酸度・ポリフェノール量を公表している
品質にこだわったオリーブオイルは、必ず酸度とポリフェノール量の両方を公表しています。
先ほど説明したとおり、酸度は精製処理で下げられますが、ポリフェノール量は加工しても変えられません。
手間をかけて高品質なオリーブオイルを作っている生産者だけが、酸度とポリフェノール量の両方をアピールできるのです。
遮光ビンに入っている
脂質は光、空気で酸化します。だからオリーブオイルの容器による酸化のしにくさは、
- 光と空気の両方を防ぐ遮光ビン
- 空気を防ぐ透明ビン
- 光を防ぐ遮光ボトル
- 光も空気も通す透明ボトル
の順番になるのです。
高品質なオリーブオイルは当然遮光ビンに入っています。
JOA(日本オリーブ協会)認定を受けている
出典:日本オリーブ協会
日本はIOC(国際オリーブ協会)非加盟のため、エクストラバージンオリーブオイルの基準がないのが現状。
そこで「日本のオリーブオイルにも世界と同じ基準を設けよう!」という理念をかかげる組織がJOAです。
JOAはIOCと連携しています。そのためJOA認定マーク↑が付いているエクストラバージンオリーブオイルはIOCが認定したものと同じ品質だそう。
ただ、JOAは実際それほど活動できていないと思います。JOA公式ページの新着情報は2019年4月が最新ですし、ぼく自身JOA認定マークが付いたオリーブオイルを見たことがありません。
おすすめエクストラバージンオリーブオイル3選
ここからぼくおすすめの低酸度・高ポリフェノールのエクストラバージンオリーブオイルを3つ紹介します。
商品名 | 酸度 (%) | ポリフェノール (mg/kg) |
---|---|---|
カサス・デ・ウアルド マンサニーリャ | 0.13 | 656 |
カサス・デ・ウアルド アルベキーナ | 0.09 | 185 |
カークランド エクストラバージン オリーブオイル | 0.8以下 | 369 |
- カサス・デ・ウアルド:楽天市場の商品ページ
- カークランド:酸度→mybestさん、ポリフェノール→パレオな男さん
上記3つの商品のおすすめ理由を書いていきます。
マンサニーリャ:健康効果を重視する人向け
先ほど説明したとおり、オリーブオイルはポリフェノールが多いほど健康効果が高いです。マンサニーリャ
ぼくが現時点で毎日使っているのもマンサニーリャです。Amazonと楽天市場で値段は同じなので、ポイントが多く付く楽天がおすすめ。2本買えば送料無料にもなります。
ただ、オリーブオイル1本500mlで約3,000円はちょっと高いですよね。楽天市場は少し工夫をすれば10%以上お得に買い物ができます。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
» 楽天市場ポイントアップ完全攻略!還元率10%超の5ステップ買い物法
アルベキーナ:酸化の害をおさえたい・オリーブオイルの辛味が苦手な人向け
アルベキーナ
また、オリーブオイルの辛味はポリフェノールが多いほど上がります。なので辛いオリーブオイルが苦手な方は、マイルドな味わいのアルベキーナがおすすめです。
アルベキーナもAmazonと楽天市場で値段が同じなので、楽天で2本まとめ買いするのがお得です。
カークランド エクストラバージンオリーブオイル:コスパ重視の人向け
名前が長いので省略していますが、正式名は「カークランドシグネチャー オーガニックエクストラバージンオリーブオイル」です
コストコのカークランドの商品
- 酸度0.8%以下でIOC(国際オリーブオイル協会)の基準クリア
- ポリフェノール369mg/kg
- 1,832ml入って2,300円以下
と、そこそこの品質で値段はリーズナブル。コストコの商品だけあって味もマイルドで色んな食材に合わせられます。
カークランドの商品もAmazonと楽天市場で値段はあまり変わらないので、楽天で買うのがおすすめです。
オリーブオイルを酸化させない保存方法2つのポイント
せっかく健康に良いエクストラバージンオリーブオイルを選んでも、正しい保存方法を知らないとすぐに酸化してしまいます。
オリーブオイルを酸化させないための保存のポイントを知っておきましょう。
- 暗い25℃未満の場所で常温保存
- 開封後1ヶ月以内に使い切る
順に解説します。
暗い25℃未満の場所で常温保存
↑は2020年の研究(※3)で、気温が異なる暗い場所で300日間エクストラバージンオリーブオイルを保存したときの酸化レベルの変化です。
気温が高いほど、オリーブオイルがすぐに酸化していますね。
脂質は光や熱で酸化するので、オリーブオイルは暗くて25℃未満の場所で常温保存しましょう。キッチンの戸棚あたりがおすすめです。
冷蔵保存も酸化しにくいという点では正しいです。ただ、あまり低い温度だとオリーブオイルが白く固まります。
固まったオリーブオイルは使いにくく、見た目も悪いので常温保存がおすすめです。
開封後1ヶ月以内に使い切る
オリーブオイルの酸化は時間が経つほど進みます。なので開封後オリーブオイルの使用期限は1〜2ヶ月です(大手調理油メーカーの日清オイリオが推奨)。
ぼくは酸化の害を少しでも減らしたいので、1ヶ月以内に使い切っています。
また、未開封でも少しずつ酸化はするので、こまめに買って早く使い切るのが健康的なオリーブオイルの使い方です。
高品質なオリーブオイルで健康になろう
高品質なオリーブオイルに関する正しい知識をまとめます。
- 健康に良いオリーブオイルは低酸度・高ポリフェノール
- 最高品質のオリーブオイル = エクストラバージンオリーブオイル
- 市場に出回るエクストラバージンオリーブオイルの7割は偽物
- 本物のエクストラバージンオリーブオイルは酸度・ポリフェノール量を明記し、遮光ビンに入っている
上記をふまえ、ぼくがおすすめするエクストラバージンオリーブオイルは以下の3つです。
- カサス・デ・ウアルド マンサニーリャ:健康効果を重視する人向け
- カサス・デ・ウアルド アルベキーナ:酸化の害をおさえたい・オリーブオイルの辛味が苦手な人向け
- カークランド エクストラバージンオリーブオイル:コスパ重視の人向け
そしてオリーブオイルを酸化させない保存のポイントは以下の2つです。
- 暗い25℃未満の場所で常温保存
- 開封後1ヶ月以内に使い切る
オリーブオイルはさまざまな病気のリスクを減らしたり、頭が良くなったりといった健康効果が研究で示されています↓
» オリーブオイルの健康効果3つ!15個の研究をもとにわかりやすく解説
ぜひ質の高いエクストラバージンオリーブオイルを日々の生活に取り入れて、健康長寿を目指しましょう!