今回は医療機関や厚生労働省の情報をもとに
- 糖化がどんな現象なのか
- 糖化・AGEsによる肌や体への悪影響
- 日常でやりがちな糖化につながる行動
をわかりやすく解説します。
揚げ物を食べたり、運動をしなかったりといった現代人がよくやりがちな多くの行動は糖化につながり老化を速めます。
糖化の悪影響と原因を理解すれば、ふだんから糖化につながる行動を自然と避けたくなるはず。この記事で「炎症」「酸化」とともに老化の3大原因の1つである「糖化」対策のモチベーションがぐんと上がりますよ。
手っ取り早く糖化を減らす方法を知りたい人には、以下の記事が参考になります。
糖化=体内で余分な糖質がタンパク質と結びついてAGEs(老化物質)に変化
白米などの炭水化物や甘いお菓子には糖質がたくさん含まれています。この食事からとった糖質が体内で余り、タンパク質と結びつくと老化物質AGEsに変化するのです。
ホットケーキを焼くと、砂糖(糖質)が卵や牛乳(タンパク質)と結合してAGEsになります。ホットケーキのこんがりした茶色はAGEsの色なんですね。
人間の体内で糖化が起こると、焼いたホットケーキと同じようにコゲ (AGEs)が生まれます。
体内で使われずに余った糖質がタンパク質と結びつき、老化物質AGEsになること
糖化が引き起こす2つの老化現象
- 肌のシワやたるみ
- 臓器や血管など、体の組織の機能低下や病気
糖化による健康への悪影響を解説していきます。
肌のシワやたるみ
肌のハリを保っているのはコラーゲン繊維とエラスチン繊維というタンパク質です。
コラーゲンとエラスチンは自由に伸び縮みし、肌に網の目状に張り巡らされています。肌の柔らかさはコラーゲンとエラスチンが支えているんですね。
AGEsは網の目状に張り巡らされた繊維をくっつけ、硬くもろくしてしまいます。弾力たっぷりの生肉も、コゲるとカサカサボロボロになりますよね。あんな感じです。
こうして糖化により肌の弾力が失われ、シワやたるみにつながっていきます……
肌のハリを保っているのもタンパク質。このタンパク質が糖質と結びついてAGEsに変化し、シワやたるみになる
臓器や血管など、体の組織の機能低下や病気
人体の約16%はタンパク質でできています。筋肉や骨、臓器、血管、皮膚、爪など。
肌が糖化で老いるように、体の内部を構成するタンパク質に糖化が起こると様々な健康被害につながります。
- 血管がボロくなり、心筋梗塞や脳梗塞につながる
- 骨粗しょう症になって骨折しやすくなる
- AGEsが脳に蓄積してアルツハイマー病になる
日常でやりがちな糖化につながる3つの行動
ここからは現代人が日常的にやる行動のなかで、糖化を引き起こすものを3つ紹介します。
- 高GL食品の食べすぎ
- 揚げる、焼くなどの高温加熱調理
- 運動・筋肉不足
順に解説します。
高いGL食品の食べすぎ
食品の血糖値の上昇を数値化したもの。GL値が高いほど食べた時に血糖値が上がる。詳しくはダイエットで気を付けたいのは「GI値」よりも「GL値」だった!参照
糖化の原因は体内で余った糖質でしたね。高GL食品で血糖値を上げればAGEsがたくさん発生するのは当然です。
GL値が高い食品にはたとえば以下があります。
- 砂糖やグルコースなどの甘味料
- あめ玉などのお菓子
- パン、麺、ご飯など
もっと色々な食品のGL値を知りたいかたは380食品のGL値・糖質量・カロリー比較リスト【見やすいグラフつき】というページを見てください。
揚げる、焼くなどの高温加熱調理
AGEsはコゲですから、高温で加熱調理するほど増加します。
生 < ゆでる・蒸す < 電子レンジ < 焼く < 揚げるの順に、右にいくほどAGEsが増える調理法です。そもそもAGEってローマ字読みしたら「アゲ(揚げ)」ですよね。。
とんかつより焼肉、焼肉よりしゃぶしゃぶの方がAGEsが少ない調理法だと覚えておきましょう。
運動・筋肉不足
AGEsは体内で余った糖質が原因で生まれます。運動をしない人や筋肉が少ない人ほどエネルギーが消費されず、糖質が余りやすいのです。
また人のエネルギー代謝は歳をとるほど減少します。中年で太り始める人が多いのも加齢で代謝が落ちるため…
つまり運動を習慣づけていないと、年齢とともにAGEsが発生しやすい体になっていきます。
実際2014年の研究では
- 定期的に運動をする60〜70歳の高齢者
- 運動をしないが1と体重が同じくらいの同世代の高齢者
のAGEs量を比べました。
すると定期的に運動をする高齢者は運動をしない高齢者よりも、体内のAGEs量が21%、皮膚のAGEs量が11%低かったのです。
糖化を対策して健康長寿になろう
最後に糖化の意味、原因、影響を簡単にまとめておきます。
- 糖化とは体内で余った糖質がタンパク質と結びつき、AGEsという老化物質になる現象
- AGEsは肌の老化や体のさまざまな組織の機能低下などの悪影響を及ぼす
- 日常でやりがちな糖化につながる行動は、高GL食品の食べすぎ、高温調理、運動・筋肉不足
ふだんから糖化に気をつけて行動すれば、老化を遠ざけていつまでも元気な体でいられます。
完璧に対策するのは難しくても、できるだけ蒸す・ゆでる料理をしたり、エレベーター代わりに階段を使うようにして運動量を増やしたり、手軽なところから糖化対策にチャレンジしてみてください。
小さな行動の積み重ねが、大きな変化をあなたの体に生んでくれるはずですよ。
具体的な糖化対策のやり方は以下の記事で解説しています。