この記事で健康メリットを最大化する生活への自然のとり入れ方がわかります。自然をうまく利用すれば、あなたのパフォーマンスや幸福感をほとんどコストをかけずに高められますよ。
後半ではぼくが実際どんなふうに自然を活用しているのかも書いています!
自然にどんな健康メリットがあるのかを詳しく知りたい方は、以下を読んでみてください。
自然の効果を得る最低ラインは週120分
2019年6月に発表されたエクスター大学の研究で、幸福・健康度を高める自然との接触時間を調査しました。
- 参加者は20,264人の男女
- 幸福・健康度に関する質問をし、過去7日間にどのくらい自然の中で過ごしたかをたずねてデータを取った
- 上記の「自然」には通勤で通りかかった街路樹などの受動的なものは含めず、自分から公園や森林、河川に出かけたときなど能動的なもののみを対象とした
- 年齢や性別、運動の習慣、人間関係の良好さといった幸福・健康に関係する要因は調整し、自然の影響のみを調査した
結果として、参加者が週120分以上を自然の中で過ごすと有意に(統計的に意味のある水準で)健康・幸福度が上がりました。
また週120分以上の自然接触による幸福・健康度UPには以下の特徴もあるそう。
- 高齢者や長期的な健康問題を抱える人もその他の人々と同じ効果を得られる
- 週120分の自然との接触をどのようにおこなうか(週1日で120分、週7日で毎日18分以上の場合など)は関係ない
- 自然による健康度UPは週200分、幸福度UPは週300分で最大化し、それ以上自然の中で過ごしても一定にとどまった
さらに研究チームは研究結果についてこうコメントしています。
週120分以上の自然体験による健康・幸福度へのメリットは貧困地域からふつうの地域へ移ったとき、低賃金から高賃金の仕事へ転職したとき、運動不足の人が週150分の運動を達成したときに匹敵する
Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing
デジタルな自然にも健康効果あり
自然の画像や音だけでも健康メリットを得られることが研究で判明しています。
自然の写真でストレス解消
2015年12月のアムステルダム自由大学の研究で、自然の写真によるストレス解消効果を調査しました。研究内容は以下のとおり。
- 参加者は60名の学生
- 参加者は(ストレスの指標となる)自律神経を測定しながら数学の難問を解いた
- ストレスが高まったところで自然の多い写真か緑の少ない街中の写真を見せた
参加者に見せた写真は↓で自然の多い写真は左側、街中の写真は右側です。
結果として、自然の写真を見た参加者のみ(リラックスと関係する)副交感神経が活性化し、心拍数も低下しました。ただし問題を解き始める前に写真を見せても効果はなかったそうです。
自然音でストレスが減り集中力が上がる
自然音とは↓のような自然界の音です。
2017年3月に発表されたサセックス大学の研究で、平均26歳の健康な17名の男女に
- 風の音や虫・鳥の声などの自然音
- 車やオフィスの音などの人口音
の2種類を5分25秒ずつ聞いてもらい、リラックス度と脳活動を測定しました。
すると自然音を聞いた場合のみ副交感神経が活性化しリラックス度が高まったのです。実験前に大きなストレスを感じていた人ほど自然音のリラックス効果は上昇しました。
さらに自然音を聞いた場合は追加で実施した集中力を測定するテストの結果も良くなったのです。
自然音で集中力テストの結果が良くなったのは、意識が自分の内側(過去の記憶や未来への不安など)より外側(テストの画面)に向かうためだそう。対して人口音では意識が自分の内側に向き、集中力テストの結果が悪くなりました。
生活への自然のとり入れ方5選
ここからはぼくが実践している、生活に自然をとり入れる方法を5つ紹介します。手軽なものから順に書いているので、ぜひ試してみてください。
デジタルデバイスの壁紙を自然風景にする
↑はぼくのスマホ待ち受けです。スマホやパソコンなど、ふだん使うデバイスの壁紙を自然の風景にしてみましょう。よく目にする場所を自然の写真にすれば、意識せずともリラックスできて集中力が高まりおすすめです。
スマホは「綺麗な壁紙」アプリがおすすめ
スマホの自然壁紙は「綺麗な壁紙」という無料アプリが優秀。自然、宇宙、植物など選んだジャンルから画面サイズに合った高画質画像をダウンロードできます。
PCは「壁紙キングダム」がおすすめ
パソコンの自然壁紙は壁紙キングダムというサイトで高画質画像をGETできます。
ぼくのMacの壁紙は12種類の自然画像が30分ごとにランダム表示されるよう設定しています。
空気清浄効果が高くて世話がラクな観葉植物を置く
↑はぼくが仕事机に置いている観葉植物です。左から
- スパティフィラム
- サンセベリア
- ドラセナ
- ポトス
という名前で、NASAが研究で空気清浄効果の高さを実証した植物たち。
乾燥地域の植物なので水やりは3・4日に1度でよく、(太陽に当てずに)ずっと仕事机に置きっぱなしでも元気です。自宅近くのホームセンターで500〜1,500円買いました。
仕事中にふと目をやればリラックスできて集中力が高まりとても良い感じ。部屋の空気もきれいになっています(๑•̀ •́)و✧
自然の風景をよく目にする場所に貼る
ぼくは仕事机の正面の壁に自然風景タペストリーをかけています。まるで森の中で仕事をしているようで、とても気持ち良く集中できます。
↑のタペストリーは150×130cmで1,400円の作品
家の壁をアレンジしたいはぜひ検討してみてください。もっと小さいサイズがいいならタペストリーよりポスターがおすすめです。
自然が多いコースで散歩をする
本物の自然にふれる最も手軽な方法は散歩です。自然の多いコースの散歩は運動にもなり、20分程度の短い時間で気分をリフレッシュできますよ。
しかも散歩中はアイデアがたくさん浮かんできます。ぼくは散歩中に何か思いついたらとりあえず音声入力でスマホにメモ。自然の変化に富んだ景色や鳥のさえずり、木々が風でゆらぐ音などが適度に注意を分散させて創造性を刺激してくれるのです。
ぜひ日々の通勤や散歩の時間はなるべく緑の多いルートを選ぶようにしてください。ぼくは朝夕20分ずつ自然が多いコースの散歩を日課としています。
トレッキング(山歩き)
登頂にこだわらず山をゆるく歩くのがトレッキングです。運動靴と動きやすい服さえあれば手軽に山の大自然を体験できるアクティビティですね。
緑にかこまれた山で全身に自然をあびられます。
そして登山道に整備された道があるのはまれ。岩がごろごろした斜面や木の根が突き出た道を登るために足のいろんな筋肉が使われます。なのでふだん使わない体の部位の運動にもなりますよ。
ぼくはトレッキングをすると体が元気になってモチベーションが上がり、その後2〜3日は生産性がかなり上がるのを実感しています。ぜひ数ヶ月に1度くらいは手近な山でトレッキングを楽しんでみてください。
健康のために自然は必要不可欠
最後に今回の内容をまとめておきます。
- 自然の効果を得るには最低週120分自然の中で過ごす必要がある
- 自然の写真、自然音にもリラックス・集中力アップ効果あり
- スマホ、PCなどの壁紙を自然風景にする
- 仕事机や部屋に観葉植物を置く
- 自然風景のポスターやタペストリーをよく目にする場所に貼る
- 自然が多いコースで散歩をする
- トレッキング(山歩き)
わたしたちが本来の能力を発揮したり、健康を維持するためには自然が必要不可欠です。ぜひふだんの生活で自然にふれ合う時間をもっと増やせないか考えてみてください。
- 自然による具体的な健康メリット
- 現代人に自然が重要な理由
を知りたい方は以下の2記事が参考になります。