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たいち

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【経歴】青山学院大学→新卒でITコンサルティング企業に入社→4年3ヶ月働く→健康的な生活を追求するために退職→現在はフリーのSEとして活動中です

自然にふれる全5つの健康効果を科学的に解説!

自然の健康効果
マナト
自然が体に良いって聞くけど、具体的にどんな健康メリットがあるの?
りゅう師
自然にはよく知られているストレス解消効果をはじめ、脳の活性化、炎症抑制、免疫力UPなどの効果があるぞい

今回はさまざまな研究をもとに、現時点で判明している自然の健康メリットを5つ解説します。この記事で自然に触れることがいかに脳や体のために重要なのかがわかるはず。

日々の生活にもっと自然をとり入れたくなり、あなたを元気で健康にすること間違いなしの内容です。ぜひ読んでみてください!

目次

自然のストレス解消効果は20〜30分で最大化

自然とのふれあい

自然がストレス解消に有効なことは数々の研究で実証されています。ではどのくらいの時間を自然の中で過ごせばその恩恵を最大化できるのか。そんな疑問に答えてくれるのが2019年に発表されたミシガン大学の研究です。

研究内容
  • 参加者は都会暮らしの36名
  • 8週間にわたり、自然を感じると思う場所で週3回以上、1回につき10分以上過ごしてもらった
  • 自然の中で過ごす前後に唾液を採取し、ストレスが高まると増えるコルチゾール・アミラーゼの値を測定

参加者が自然の中で過ごしたあと、1時間あたりコルチゾールは21%、アミラーゼは28%ずつ減少していきました

この研究によると自然のストレス解消効果が最大になるのは20〜30分過ごした場合。それ以上自然にふれていてもストレスは減りますが、減少ペースが遅くなるそうです。

マナト
緑がある場所で20分過ごせば、そのあとストレスがどんどん減っていくんだね

バイオフィリアで本能的に幸福感が高まる

バイオフィリア

バイオフィリアとは「人間は本能的に自然とのつながりをもとめる」という考え方。狩猟採集時代と現代生活の違いを解説した記事で書いたように、人類史で99.9%以上の期間を人は自然とともに生きてきました。

だからこそバイオフィリアを持つわたしたちは、自然にふれると幸福感が高まるのです。

イギリスの成人19,806人を対象にした調査では、自然の中で週120分以上過ごした人は「健康状態が良い」「幸福感が高い」と回答する割合が有意に(統計的に意味のある水準で)高まりました。

りゅう師
ちなみに自然の中での120分を週1回で過ごした場合と、何回かに分けた場合で幸福感に差はなかったそうじゃ

また国連が以下の6つの指標をもとに毎年発表する世界幸福度調査では、国土面積の90%以上を森林や湖が占めるフィンランドが2018年以降4年連続で1位を獲得しています。

世界幸福度調査の6つの幸福指標
  • 1人あたり国内総生産(GDP)
  • 社会保障制度などの社会的支援
  • 健康寿命
  • 人生の自由度
  • 他者への寛容さ
  • 国への信頼度

もちろんフィンランドの充実した社会保障や低い所得格差も幸福度に関係しているでしょう。でも自然がフィンランド人のバイオフィリアを満たし、彼らの幸福感を高めていることは間違いありません。

自然が幸福感を高める根拠
  • 人は本能的に自然とのつながりを求める本能(バイオフィリア)をもっている
  • イギリスの成人1万9,806人を対象にした調査では、自然の中で週に120分以上過ごした人は幸福感が有意に高まった
  • 国土面積の90%以上を森林や湖が占めるフィンランドは世界幸福度調査で4年連続1位

大自然によるAwe(オウ)体験が脳を活性化させて炎症をおさえる

脳科学では大自然や宇宙の広大さ、時の長さを前にして自己の小ささを感じることをAwe体験(畏敬の感情)と言います。

このAwe体験には

  • 脳を活性化させる
  • 体内の炎症をおさえる

という2つの健康メリットがあります。

炎症について詳しく知りたい方は、炎症の解説記事をご覧ください

Awe体験で他者貢献をしたい気持ちが高まり、脳が活性化する

Awe体験が脳を活性化

科学的に幸せになれる脳磨きの著者であり、脳科学者の岩崎一郎氏はAwe体験による脳への影響についてこう書いています。

大宇宙の悠久さや自然の広大さを前に「自分を小さい」と感じるとき、人は非常に謙虚な気持ちになり、そして素直に感謝の気持ちを持ちます。その結果、前向きにもなり「世の中のため、誰かのために役立ちたい」という思いを強くするのです。このとき、脳は通常の何十倍、ときには何百倍も活性化するのです。

科学的に幸せになれる脳磨き
マナト
雄大な自然への畏敬の念が他者のための大きな目標を抱かせ、それを達成するために脳が活性化するんだね

ポジティブ感情の中で最も炎症をおさえるのが畏敬の念

Awe体験

カリフォルニア大学の研究で200人の学生に毎日の感情を記録してもらい、体内の炎症レベルとの関係を調査しました。

結果として以下の7つの感情を体験する回数が多いほど炎症レベルは低くなったのです。

体内の炎症を減らす7つの感情
  1. 喜び
  2. 楽しさ
  3. 慈悲
  4. 満足
  5. 誇り
  6. 畏敬

上記の中でも特に炎症をおさえる効果が高かったのが畏敬の感情でした。

マナト
炎症はポジティブな感情でおさえられて、感情の中で最も効果が高いのが畏敬の気持ちなんだ

免疫力が高まり病気に強くなる

自然にふれると以下の2つの理由で免疫力が高まります。

自然による2つの免疫力UP効果
  1. NK細胞が活性化
  2. 腸内細菌の多様性が増す

それぞれ詳しく解説します。

NK細胞が活性化

NK細胞活性化

森林浴はNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化し、がんや細菌・感染症予防に有効なことが日本医科大学の李卿(リ・ケイ)医師の研究で明らかになりました。

李卿氏によると森林浴がNK細胞を活性化するのは、樹木の香り成分であるフィトンチッドが以下の効果を持つためだそう。

フィトンチッドのNK細胞活性化効果
  • フィトンチッドはNK細胞のはたらきを高める効果があり、呼吸で血液に入ってNK細胞に直接作用する
  • リラックス効果によりストレスホルモンの分泌をおさえ、間接的にNK細胞を活性化させる
マナト
ヒノキや森の良い香りには病気を遠ざけてくれる効果があったんだね

腸内細菌の多様性が増す

腸内環境改善

腸には重さが1〜1.5kgにもなる100兆個以上の腸内細菌がいます。さらに全免疫細胞の約70%が存在し、腸内細菌と協力しながら病気や有害物質から体を守っているのです。

森林や草原など自然豊かな場所の空気には多くの微生物が含まれます。この微生物たちが腸内細菌に多様性をもたらし、腸内環境を改善してくれるんですね。

微生物とは目に見えない生物のこと。腸内細菌も微生物の一種

腸内細菌の専門家グラハム・ロック博士は自身の研究でこう述べています。

自然の大気には大量の微生物が含まれ、空気中で代謝と増殖を行うものもある。(中略)大気中の微生物はわたしたちの肌にくっつき、呼吸で体内に入って気道や腸に到達し、免疫システムを調節する。

Regulation of the immune system by biodiversity from the natural environment: An ecosystem service essential to health
マナト
自然界に生息するさまざまな微生物が体に入り、腸内細菌の多様性を増やしていろんな病気に対抗できるようになるんだね

自然で精神的にも肉体的にも健康になれる

最後に本記事の内容をまとめておきます。

自然による5つの健康メリット
  1. 20〜30分自然の中で過ごすとストレス解消効果を最大化できる
  2. バイオフィリア(本能的に自然とのつながりをもとめる感情)を満たし幸福感が高まる
  3. Awe体験(大自然の広大さ、時の長さを前にして自分の存在の小ささを自覚すること)で脳が活性化する
  4. 感情の中で最も炎症抑制効果が高いのが畏敬の念(=Awe体験)
  5. NK細胞を活性化させ、腸内細菌に多様性をもたらして免疫力が高まる

いかがでしょうか。日常にもっと自然を増やしたくなりましたか?以下の記事では自然を手軽に生活にとり入れる具体的な方法を解説しています。ぜひ読んでみてください!

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自然の健康効果

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